こんにちは、北條です。
これまでの記事でもお伝えしてきたように、
食品メーカーが活用できる補助金には、大きく分けて2種類あります。
1つ目は、以下のような補助金に代表される「経済産業省」の補助金です。
事業再構築補助金
ものづくり補助金
大規模成長投資補助金
2つ目は、「農林水産省」が出している補助金。
代表的なものとしては HACCPハード事業 などがあります。
今回は、これら2つの補助金の違いと、それぞれのメリット・デメリットについて詳しくお伝えします。
補助金活用を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
近年、経産省の補助金には「賃上げ」の条件が必須で盛り込まれています。
利益構造が安定している企業であれば対応できるかもしれませんが、
実際には多くの中小企業にとって大きな負担です。
とくに、魚やパンなど“人の手”が欠かせない業種では、
賃上げ要件は非常にハードルが高くなっています。
以前は「ものづくり補助金」の採択率は 55〜60% 程度で安定していましたが、
最近は 35%程度 にまで落ちています。
「事業再構築補助金」も同様に低下。
さらに「大規模成長投資補助金」は わずか15%の採択率 です。
なぜここまで採択率が落ちているのか?
それは補助金審査における「決算書の影響力が強まったから」です。
つまり、
申請書にどれだけ素晴らしいビジョンを書いても、
決算内容が厳しければ落とされるということです。
実際、経産省補助金を扱っていた某大手コンサル会社が、
採択率の悪化によって倒産したという事例もあります。
それが今、僕が最もオススメしている「農林水産省の補助金」です。
これはシンプルに大きなメリットです。
人件費が高騰している今、賃上げが不要なのは非常にありがたいポイントです。
弊社の支援企業では100%採択の実績があります(2024年3月現在)。
理由は、農水省の補助金は申請手続きが難しいため、競争が少ないからです。
逆に言えば、しっかり準備できれば通る補助金ということです。
経産省の補助金が「数百万円〜数千万円規模」であるのに対して、
農水省の補助金は 1億円〜上限なし のケースもあります。
そのため、以下のような大規模投資にも活用できます:
建物の新設・増改築
大型設備の導入
増産体制の強化 など
経産省の補助金では、「新商品・新サービスの開発」が前提条件ですが、
農水省の補助金は増産目的でも採択対象となります。
新しい商品をわざわざ開発せず、
今の製品ラインを強化する目的でも活用できるのは、非常に使い勝手が良いです。
ここまで農水省の補助金のメリットばかりご紹介しましたが、
もちろんデメリットや注意点もあります。
また、
向いている会社
向いていない会社
もはっきりと分かれます。
この点については、次回のブログで詳しくお伝えしたいと思います。
経産省の補助金は、賃上げ要件・採択率低下・審査基準の厳格化がネック
一方、農水補助金は、高採択率・高額支援・自由度の高い目的利用が可能
今後の事業成長や設備投資を検討している食品メーカーの皆さまには、
ぜひ農水省の補助金を視野に入れてみていただきたいと思います。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう。
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