こんにちは。
アカネサス代表の北條です。
本シリーズでは、
“いいものを作っているのに売れない”
という現象の背後にある
**「構想の欠如」**を業界別に解き明かしてきました。
これまで扱ってきたテーマは次の通りです。
食品業界
建設業界
機械メーカー
そして今回は、
いよいよ資金の入口である
金融機関
に切り込みます。
これまでの議論で、繰り返し現れた構造は次の3つです。
スペックでは売れない
差別化は「構想」で生まれる
高付加価値化には「共創」が不可欠
つまり、
商品ではなく構想が競争力になる時代
に入っているということです。
そして、その構想を実装するには
当然ながら資金が必要になります。
だからこそ、
金融機関が構想の共犯者になれるか
が重要になるのです。
多くの金融機関は、
いまもなお提案することに慎重です。
しかし問題は、
その慎重さではありません。
本質は、
クライアント企業の構想に入れない構造
にあります。
金融機関は、
稟議
本部承認
支店長決裁
といった多層構造の中で動いています。
その結果、
一担当者が理解した構想が
組織として活かされにくい
という問題が生まれます。
さらに評価指標も、
与信スコア
融資残高
ノルマ達成
といった数字中心です。
つまり、
事業構想の熱や将来性が評価軸にならない
という構造なのです。
金融機関の担当者からよく聞く言葉があります。
「提案すると嫌がられるのではないか」
しかし実際には、
語らないのではなく、語る言葉がない
だけです。
つまり、
構想を語る言語が存在していない
のです。
金融機関はよく
「融資できます」
と言います。
しかし現在、
融資そのものは選ばれる理由になりません。
企業が求めているのは、
構想段階で並走する金融機関
です。
提案とは金額ではなく、
構想と補助金
構想と投資回収
構想と商流
といった
構造を語ること
です。
これができない金融機関は、
遅れてやってくる金貸し
に過ぎなくなります。
ここで、もっと根深い問題があります。
それは、
そもそも資金需要が存在しない
という構造です。
例えば、
設備投資は補助金がなければ動かない
人材不足で拡張構想が立たない
現場は維持で精一杯
構想がないから資金需要もない
つまり、
提案以前に、構想が存在しない
のです。
本来の順序は
構想 → 資金 → 提案
と思われています。
しかし現実は
空白 → 静観 → 沈黙
というループが広がっています。
このループを壊せるのは、
構想の火種を持つ金融機関
だけです。
金融の役割は、
金を貸すこと
ではなく
構想に火をつけること
に変わるべきだと私は考えています。
例えば、
「こういう補助金があります」
ではなく、
「こういう構想を持つべきではないか」
と語る。
顧客が
まだ“やる理由”を言語化できていない段階
から伴走する。
会話の目的も、
融資
ではなく
構想点火
に変わるべきです。
金融機関は
食品
建設
機械
IT
福祉
農業
すべての業種を扱います。
しかし、
それが最大の弱点
でもあります。
なぜなら、
業界構造
原価構造
補助金制度
販路
どれも理解が浅くなりやすいからです。
つまり、
広く浅い知識の限界
です。
結果として、
構想に入れない
提案できない
共通言語が存在しない
という問題が生まれます。
一方で、成功事例もあります。
例えば、
SPC組成の初期から参画した信用金庫
補助金公募前から伴走した地方銀行
構想書のドラフトを一緒に作った担当者
これらの金融機関は
融資したから評価されたのではありません。
評価された理由は、
構想段階から伴走したこと
です。
構想に入った瞬間、
融資は構想の一部になる
のです。
企業は、
金を求めているのではありません。
求めているのは
自分でも見えていない構想を
一緒に言語化してくれる存在
です。
金融機関が
金を貸す存在で終わるのか
構想を語る存在になるのか
それが
選ばれる金融と
忘れられる金融の分岐点
になります。
ここで言う「語る」とは、
単に話すことではありません。
構想
判断
実現方法
を
自分の言葉で説明できる状態
です。
補助金任せ。
設計会社任せ。
営業任せ。
そうした金融は、
どこかで必ず止まります。
金融が共犯者になるには、
顧客の語れない構想を
一緒に言語化し、構造に落とす技術
が必要です。
次回はいよいよ最終回です。
構造シリーズ 第6回|総括編
「構想が社会を動かす時代へ」
これまで5回にわたり語ってきたのは、
構想が通らないのではなく
儲からない価格でしか通らない構造
という現実でした。
どんなに良い商品でも、
価格が通らなければ続きません。
では、
どうすれば儲かる構想を通せるのか?
その答えは、
語れる構想
を持っているかどうかです。
最終回では、
構想の未来
それを誰が担うのか
を整理します。
ぜひお読みください。
── 北條竜太郎
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