2026.05.20

「品質の良さ自慢」が、あなたを負けさせる理由 ── 客に伝わらないオーバースペックは、ただ“高いだけ”

こんにちは。
アカネサス代表の北條です。

今週から2週間にわたり、
ひとつのテーマを深く掘り下げていきます。


商品の品質に自信があるのに、なぜ売れないのか

商品の品質には自信がある。

だから当然、
売れて当然だと思っていた。

ところが現実には、

「高いですね」
「今回は別の会社で」

と言われ、競合に負ける。

そんな経験を
あなたもしたことはないでしょうか。

では、なぜ

良いものを作っても選ばれないのか。

答えはひとつです。

構造で伝えていないから。


なぜこのテーマを6回で扱うのか

通常このメルマガは
1週完結型で書いています。

しかし今回は、

全6回

を使って展開します。

それほどまでに、このテーマは

会社の粗利と未来を決定づける本質

だからです。


今、選ばれている会社の共通点

いま選ばれている会社は、
次のような特徴を持っています。

1)商品そのものではなく「導入後の価値」で勝負している

2)機能や味ではなく「使われ方」まで設計している

3)制度活用やワンストップ提案で「価格の理由」を持っている

つまり、

「うちは良い商品を作っている」

ではなく、

「〇〇だから高くても選ばれる」

という構造を作っています。


もはや“中身だけ”では差がつかない

食品、建築、機械。

あらゆるサービスが溢れる今、

どの業界でも

中身だけでは差がつかない時代

になりました。

かつては、

  • 味が良ければ売れる

  • 丁寧に作れば伝わる

  • 機能が高ければ選ばれる

と言われていました。

しかし今は違います。

味が良くても売れない。

機能が高くても選ばれない。

手間をかけた商品が

「高すぎる」

と言われて終わる。

この変化は偶然ではありません。

評価の軸が変わったのです。

いま問われているのは

何を作ったか

ではなく、

なぜそれを選ぶのか

という構造です。


市場はすでに成熟している

現在の市場では、
多くの商品が一定の水準に達しています。

例えば、

  • 味の差は大きくない

  • 精度も許容範囲に収まる

  • 設計も外から見れば似ている

つまり、

「うちの商品は優れている」

と思っているのは、

作った側だけ

という可能性もあるのです。

顧客は、

中身の良さ

ではなく、

選ぶ理由

で商品を選びます。


構造を変えれば商品は売れる

ここでひとつ実例を紹介します。

私の実家は
大阪の製餡メーカー

茜丸

です。

つまり、

あんこを作っている会社

です。

あんこは典型的に

中身の差が見えにくい商品

です。

どれも茶色くて、
甘くて、
似ています。


味ではなく「使い方」を売った

かつて茜丸は、

民事再生のあと
大手との取引を失いました。

価格競争も激しく、

品質の良さだけでは勝てない

状況でした。

そのとき私たちは、

味ではなく、使い方を売ろう

と考えました。

ターゲットを
個人ベーカリーに絞り、

茜丸のあんこを使えば

すぐ新商品が作れる

という提案に変えたのです。

具体的には、

  • 100以上のレシピを提供

  • ベーカリー向け商品提案

  • 売り場の未来を提示

つまり、

あんこではなく
未来の売場を売った

のです。


選ばれる理由を作る

その結果、

「あんこは同じ」

と思われていた市場で、

選ばれる理由を持つ商品

として再評価されました。

つまり、

商品の中身ではなく
構造が商品を売る

ということです。


今、売れているのは「構想を実装する会社」

現在選ばれている企業は、

単に良い商品を作っているわけではありません。

例えば、

  • 補助金を組み込んだ提案

  • 導入後ROIを明確にした設計

  • 販路や制度まで含めた商品設計

つまり、

売れる構造

を持っています。

商品ではなく、

構想の実装

として提案しているのです。


このシリーズで扱うテーマ

今回の6回シリーズでは、

食品・建築・機械など
さまざまな業界を横断しながら、

次のテーマを解き明かしていきます。

  • なぜ中身では勝てないのか

  • 高くても選ばれる構造とは何か

  • 価格交渉されない会社の共通点

実例と戦略を交えながら、
整理していきます。


次回予告

次回は水曜日の朝に公開予定です。

テーマは

「味がいいのに売れない
──食品業界における構造の欠落」

どうぞお楽しみに。


P.S.

最近、ある経営者の方に
こう言われました。

「うちは良いものを作っているのに売れないんです」

私はこう答えました。

「“うちは良い商品を作っているのに…”
その売れない理由、本当に相手のせいですか?」

いいと思っているのは
作った側だけかもしれません。

構想や構造を設計していない限り、

選ばれる理由は生まれません。

このシリーズでは、
その設計の仕組みを
一緒に考えていきたいと思います。


── 北條竜太郎

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